羊肉の文化と歴史について

近年の注目度が急上昇している「羊肉」の
様々な文化と歴史について

①日本のジンギスカンの食文化


ジンギスカン鍋と言えば、中央部分が盛り上がった凸型の専用鍋を思い出す方が多いと思います。実はこの鍋を使って羊肉と野菜を食べるスタイルは日本独特のもので、一般的に普及したのは第二次世界大戦以降。それまでは金網を使って羊肉を焼いていました。

金網で焼くと焦げた脂が肉に付き、羊肉を十分に美味しく食べることができません。対して専用鍋にはジンギスカンをより楽しむことができる様々な工夫が施されています。

1.保温力の向上

鋳物製の鍋は鉄鍋よりも保温力に優れ、沢山の肉を置いても冷めにくいという特徴があります。なので屋外や大勢でのシチュエーションにも対応が可能です。

2.盛り上がった中央部分

中央部分に肉を置くことで、余分な脂が下の溝に流れ、香ばしくヘルシーにお肉を焼くことができます。

3.肉と野菜を別々に

鍋の端に野菜を置くことで、野菜から出てくる水分がお肉と混ざりません。また、上から流れてくる肉汁と混ぜて野菜を美味しく焼くこともできます。


とても合理的でよく考えられたジンギスカン鍋ですが、発案者については様々な諸説があり、断定するのは難しいようです…。

ジンギスカン鍋


※専用鍋が無くても、ホットプレートでジンギスカンを美味しく食べるコツがあります!
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②羊は「無駄」の発生しない動物


羊は昔から様々な部位を活用することが出来ました。
遊牧民の多いモンゴルでは羊1頭を無駄なく活用する文化があります。食肉以外にも毛皮は繊維に、腸はソーセージの皮や楽器の材料に、脳味噌も煮込みの材料として使われます。羊は捨てるところが殆ど無く、とても有用性の高い動物であることが分かります。

羊を無駄なく活用する

③国別における羊肉への評価


日本では羊肉特有のにおい等が原因で敬遠する人も未だ多く見られますが、フランスでは高級食材として取り扱われています。
中東では宗教上のルールで牛肉や豚肉を食べることができない地域があるため、代わりとして羊肉を食べる文化が根付いています。
また、近年では中国でも需要が増加しており、価格高騰の一つの要因とも考えられています。

 

④日本における羊肉の認知度


明治維新以降、羊の飼養が盛んとなってから大正~平成にかけて馴染みが増えてきた羊肉ですが、牛肉や豚肉と比較すると、あともう一歩浸透しきれていないのが現状です。
しかし、令和に入ってからは羊肉のグルメフェスや羊肉専用の調味料などが普及し、一般的な食材として更に近づいてきているのではないか…と、Eydisスタッフは期待しています!

羊肉の認知度上昇

⑤日本における羊肉の輸入状況


日本では羊肉の約99%を輸入に頼っており、その輸入量の約99%はオーストラリア産とニュージーランド産で占められています。(約6割がオーストラリア産、約4割がニュージーランド産。)

そしてEydisで取り扱っている羊肉は、残りの約1%に該当する”アイスランド産のラム肉”です。アイスランドラムは、ほとんどの日本人が食べたことの無い”レアな食材”と言えるでしょう。

(参考文献:農林水産省「めん羊・山羊をめぐる情勢」)

 

まとめ

・専用鍋を使って羊肉と野菜を食べるジンギスカンは、日本独特のスタイル。鍋にはジンギスカンを美味しく食べるための工夫が施されている。
・羊はとても有用性の高い動物で、食肉以外にも幅広く活用されている。
・海外では日本以上に羊肉を食べる文化が浸透している国がいくつか見られている。
・羊肉は、牛肉や豚肉に並ぶほど一般的とは言えないが、令和以降の爆発的な人気により注目度は急上昇している。
・日本で消費されている羊肉の約99%は輸入肉。そのほとんどがオーストラリア産とニュージーランド産で占められている。