【社長インタビュー】なぜアイスランドラムを日本へ?
普段、私たちの食べる食材の多くが海を渡ってやってきています。
一体誰が、どのようにして遠くの地から日本へそれを持ってきたのか、滅多に知ることはないですよね。
でも、口にしている食材のバックグラウンドは誰もが気になるポイントだと思います!
今回は、アイスランドラムの輸入をスタートさせた社長へのインタビューを通じて、輸入までの経緯やアイスランドラムのさまざまな魅力についてご紹介します。
Q.まず、社長の経歴を教えてください。
日本の商社の農畜産部、外資系食肉加工会社を経て、18年前に現会社(グローバル・ビジョン株式会社)を創業しました。
(世界中の生産者から、顔の見えるユニークでこだわりのある商品を直接輸入している輸入商社です)
これまで海外で60か国以上の生産現場、食肉加工場を訪問してきました。
そのような経験、知識、行動力で、少量からの海外での商品開発、物流を展開しています。
現場を重視する視点、相互理解のため、通常は日々海外を駆け回っています。
趣味はワイン(ソムリエ資格所持)などと食材の食べ歩きです。
Q.アイスランドラムにはどのように出会いましたか?第一印象はいかがでしたか?
アイスランドに馬肉を購買に行ったとき、はじめて地元のレストランでラム肉を食べたのが出会い。そして、そのおいしさに感動。
それまではラム肉は独特な臭いが嫌いで、長年食肉業に携わりながら普段は食べることなかったので衝撃的であった。
Q.日本へ輸入したいと思った決め手(アイスランドラムの魅力など)を教えてください。
あの衝撃的な出合いのあと、色々調べてみると、おいしさの理由がよくわかった。そして、羊の生産がアイスランドの生活、文化となっていることに感銘を受けた。
いままで世界中の食肉生産を見てきてが、アイスランドは先進国でありながら昔からの生産方法を変わらず守り続けている(まさしくサステナブル)。
そして、自然環境が素晴らしいし、それが肉の味に表れていると感じた。
環境と文化が相関し、その産物としてのアイスランドラムは本当に特別なものだと思う。
Q.何年前から輸入をスタートさせましたか?
また、アイスランドからラムを輸入する上で、障壁などはありましたか?
本格的に輸入を始めたのは6年前。
それまでも輸入はされていたが、現地工場での設備投資が進み、細かい対応ができるようになったタイミングで、従来と異なる鮮度管理や加工ができるようになったのがいいタイミングだった。
また、アイスランドでの肉質向上のための研究も年々進んでいること。国をあげての販売促進がはじまったときでもあった。
ただ素材そのものは優秀であるものの、当初は規格面、包装面など、文化の違いもある中での課題も多く、改善のために多くの時間と労力を使いました。
日本から専門家を派遣したり、現地メディアへの対応も含め、日本向け商品開発、改善を周りからも促していきました。
また、日本での販売促進活動の拠点づくりをし、政府などとの協力体制も整えていきました。
(アイスランドラム協会日本事務所)
Q.コロナ以前は、毎年現地に行かれていると伺いましたが、印象的な出来事を教えてください。
●自然について
まずは、レイキャヴィクの空港(Keflavik)に到着すると・・なにもない。
富士山の登山道や、霧島の火山灰地を思い浮かべる広大な不毛の地のような・・・。
この時点で、日本人はすげーと驚きと感動を受けるはず。
でも、これは特別な場所でなく、島に火山があちこちにあるジオワールドがアイスランド。映画の撮影も多い。
地熱発電からのお湯が各戸に供給されているので、都度硫黄の匂い具合が違って毎日のシャワーが温泉気分。
氷河は一見の価値あり!オーロラも見るべし!露天風呂でビールを飲みながらオーロラを見るのが最高。
自然が好きな人にはベストな訪問地!
島内の移動は特に冬は要注意。よく道から車が落ちてる(ガードレールというものがあまりない)。川もむやみにわたると車ごと流される。
●物価について
外食の価格の高さが半端ない。物価の高さは世界でもトップクラス!
●羊について
羊の収穫が一つの大きなお祭り。『Réttir』(レッティル)と呼ばれるもので、このイベントの参加は本当に希少な経験となった。
各農家が自分の羊を見つけ、囲いに入れていくが、大人から子供まで家族、親戚総出のイベント。
▶︎Réttir様子の動画はこちら
このイベントで出される食の定番は羊肉スープ、そして Brennivinというジャガイモの蒸留酒。
たまにサメの燻製なんかが出ると最高!ラム肉スモークも食べたがこれまた美味しい。
最後は酔っ払いだらけになります笑
👆放牧していた羊を一か所に誘導します
👆自分の羊を見つけ出します
👆現地のお母さんたち特製の羊肉のスープ
Q.好きなアイスランドラム料理を教えてください。
羊の頭の料理が有名(スヴィズ Svið)。
あとはスープ。それから、SundayBrunch(=日曜日の朝昼兼用の食事)に出てくる骨付きモモのローストあるいはスモークが美味しい。
ラム以外の食に関してー・・・
昔の日本でも同様ですが、古くからの食材は厳しい冬を乗り切る保存食のような料理が多い。
そのような意味では、ものすごく美味という伝統料理はあまり出会っていない・・・
素材を生かした料理と言えば・・手長エビのスープはかなりおすすめの味でした。名物店もあるので、ぜひお試しいただきたい。
Q.最後に、アイスランドラムについてメッセージをお願いします。
私自身がラム肉が苦手というところから、革命的にラム肉好きに変えてくれたのがアイスランドラム。
長年いろいろな食肉を食べて、紹介してきているが、食には必ず個人的な好みがあり、すべての人がおいしいということはあまりない。(例えば、和牛がおいしい、と言う人もいる一方、脂っぽいという人もいるように)
しかし、アイスランドラムはほぼ100%の人がおいしい肉という、素晴らしい素材なので胸を張っておすすめしたい。
いかがでしたか?
ラム肉が苦手だったところから、輸入を始めさせてしまうほどに魅力溢れるアイスランドラム。
みなさまに、そんなアイスランドラムがどんな経緯で日本にやってきたのか、そして魅力がより伝われば幸いです。
好きなアイスランドラム料理に出てきたスープ
『キョットスーパ(Kjötsúpa)』の作り方はこちらから